埼玉県(と都内一部)の「私立」高校入試は複雑である。
わかりやすい言葉でいうと「確約制度」があるんです。
もちろん、この言葉は不適切で、入試において不公平が生じるので、あるとしたら是正されるべきではありますが、
一部私立高校の入試では「安心して受験できる」と言葉を変えて残っているのが事実です。
塾に通わず、入試情報を知らない家庭からしたら、まったく理解のできないことだと思います。
この制度は、このことを知らない生徒にとっては入試で不利にもなることもありますので、一度、文科省、教育委員会が是正に向けて動き出すか、という話がありました。しかし実際はまだまだ残っています。
埼玉県議会 令和2年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文より
具体的に、受験生は夏前くらいから、高校見学などが始まります。
その際に「個別相談会」というのが開催される私立高校が多く、そこでは、通知表のコピーと北辰テスト(埼玉県の受験生の多くが受験する民間業者テスト)の結果を持ってくるように言われます。
その個別相談会では、担当者から合格可能性を言われます。
露骨にいうと、◎○△という感じです。
◎がもらえれば「確約」ということになります。
「資料の提示ありがとうございました。この成績の記録を残しておきますので、本番は緊張せずに受験してください。滅多なことが起こらないかぎり安心していてよいですよ。」
という表現が多いですね。
これを言われると99.9%合格ということになります。本番のテストで1教科一桁台をとってしまうと落ちることもありますが。
○の場合は、本番のテストで何点以上必要です。と言われたり、
△の場合は、今後の北辰テストで偏差値何何を超えたらまた相談に来てください。と言われたり、2学期の通知表が何何を超えたらお約束できますので、また相談に来てください。と言われます。
埼玉では、この個別相談に来ていない生徒が受験をすることも可能ですが、稀です。
実際に、受験生はまず夏前後に成績資料を持っていくつかの学校へ個別相談(学校説明会とは別)に行きます。そして、冬までに受験校を決定します。その後受験をして合格発表、という流れになります。
※これは私立高校のみの話です。公立高校には当然こういった制度はありません(スポーツ推薦、部活動推薦ができる高校はありますが)。
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